「部分塗装」のページでエナメル、ラッカーなどについては説明しましたが、このページでは基本3種とその他の塗料についてご紹介します。ガンプラをカッコよく仕上げるためにも、ある程度塗料の種類について把握しておきましょう。
ラッカー系塗料は専用のラッカーシンナーで薄めて、溶剤が揮発することで硬化します。塗膜の乾燥が速いので作業効率がいいのがウリです。しかし、作業できるまでの乾燥が早いおかげで、シンナーが完全に抜け切るまでは強度が低い状態なので注意しておきましょう。塗装を施した後にすぐ組み立ててしまうと、パーツ同士ですれる部分の塗膜が剥がれ落ちてしまうので、塗料が完全に乾燥するのをじっくり待つことを忘れずに。塗装後はだいたい一週間くらい間を置けば剥がれにくくなります。ラッカー系塗料は臭いがキツく有害性が強いので使用時には最新の注意を払いましょう。
水性系塗料はその名の通り水で薄めて使うタイプの塗料です。水性とは言っても、塗料乾燥後に水が付着しても色が滲んだり溶けることはないのでご安心を。薄め液が水なのでその分乾燥が遅く、乾燥直後は塗膜がまだ弱い状態なのがネックです。ラッカー系とは違って強い臭いや有害性は低く、 周囲の住宅状況に大きな影響がないことからモデラーの中でも使用者が多い塗料です。
エナメル系塗料は発色や延びが良く、使い方によっては大変便利で重宝する塗料です。欠点は乾燥が非常に遅いこと。広い面に対して厚めに塗ると塗膜が目立ってしまうので、メイン塗料と言うよりも適材適所で役目をこなす、いぶし銀塗料と言った感じでしょうか。ガンプラに侵食してヒビ割れを起こしたりと最後の最後で問題を起こすトラブルメーカーでもあります(笑)。塗料が硬くなった後もエナメルシンナーでラッカーを犯すことなく拭き取ることができるので、スミイレやウォッシング、ドライブラシなど、誤った使用方法さえしなければ多種多様な色合いを出せる強い味方になってくれます。要は慣れですね。
通用「サフ」と呼ばれるサーフェイサーはラッカーパテとほとんど同じ成分で出来ています。粒子の粗さで傷の埋まり具合などに変化が見られるので、 状況にあわせて使いこなしましょう。サフを持っていない方にとっては、「サフは必ず吹かなくてはいけないのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。もちろんサフを吹かなくてもガンプラを奇麗に仕上げることは出来るので、必須というわけではないのですが・・・。 なぜサフを吹くのかというと、ガンプラ表面の傷を発見しやすくその傷を埋める効果があるからというのが主な理由です。灰色がいい具合に面の崩れや表面処理の仕上がりを見やすくしてくれるので、工作の最終チェックとして行うのも大きな理由の一つとなっています。他にも、塗装の食い付を良くする効果があるのでサフを吹きつける場合もあります。また、箱から出したばかりの成型色キットの段階で色を均一にしておいたり、各パーツへの色乗りを良くする効果もあります。これら細かい気配りがガンプラの仕上げをより一層高めてくれるので、意味を理解して使えばサフ吹いたほうが良いガンプラが作れるということに気がつくハズです。
サフの色は通常灰色で、この灰色がいい具合に光を吸収してくれるおかげで傷を目立たせて見つけやすくしてくれます。 上に乗せる色などの影響で発色が気になる場合は白色のサフを吹くのも一つの手です。塗膜に食いつきにくいレジンなどの素材用にプライマー入りのレジン専用サーフェイサーもあるので、状況によって使い分けると塗装工程にとって心強い味方になってくれます。
スミイレは別名「流し込み毛細管現象」と言われており、主にエナメル塗料を使用して行います。エナメル塗料を使う理由は、エナメル塗料の 下に吹いたラッカーやウレタンを侵さないという特性があるからです。ラッカーやウレタンを侵さないので、一度塗装した後でもふき取りができる唯一の塗料となっています。エナメル塗料を専用の溶剤で薄めて、小さめの筆でモールドやかどなどの溝に流し込むスミイレは、筆をモールドに少し当てる程度で見る見るうちに溝に塗料が流れ込んでいきます。まるで血管に血が流れるような図なので「毛細管現象」と呼ばれているそうです。 この現象により余分な箇所にはみ出すことが少なく、モールドの外にあふれた部分があっても楽にふき取り作業を行うことができます。 希釈の目安はこの毛細管現象がスムーズに行える程度で、なおかつ乾燥後の発色がしっかりしている位を目指しましょう。
スミイレという作業はガンプラ製作の終盤の工程ですが、終盤だからと言って気を抜くのは厳禁です。このスミイレには悪魔のようなトラブルが潜んでいるから注意しましょう。コーティングしていない状態なのに直接エナメル塗料をプラスチックに塗ってしまうと、エナメルの溶剤をプラが吸いこんでしまい、プラスチックの表面が割れを起こすことになります。割れを回避するには、溶剤をプラに影響のないジッポオイルなどで代用したり、モールドの中やパーツ側面にしっかりとサフやトップコートなどでコーティングを済ませておいて、直接エナメルをプラに触れさせないようにしましょう。